ああっ、母乳が出ちゃうかも!
それ、突然でした。
えっ、なにっ。
どうしたの。
わたし、ヘン…。
そんな感じでした。
中から熱くなってきて、
ホント、
お乳がでちゃいそうな、
そんな気分に駆られたんです。
だから、
そのまま「出ちゃうっ。お乳が。ああ、行きそう」
叫んでしまったのです。
驚いたのは彼でした。
いつものようにわたしの乳首に唇をあてて、
吸い付いていたら、
わたしが身もだえだしたんですものね。
そのあと、わたしったら
まるで授乳するかのように自分で乳房をもんだのです。
「あれって、どうみても乳飲み子に母乳を飲ませる
仕草だった」と彼が後から指摘しました。
仕方ありません。
胸の奥がぐーんって熱くなってきて、
「なんかが出ちゃうっ」という感じになったのですから、
もう母乳が、出る。
出たら、吸い付いている赤子に飲ませる。
これは子供を産んだことのあるものの反射神経かしら…。
師匠に聞いたら「うん。わかる。それって、あるよね」
と賛同してもらったので安心です。
でも師匠のパートナーがあとからわたしにこっそりと
教えてくれました。
「あのひとね、大きなこと云ってるけど、子供産んだことないからね」
はい。
知っておりました。
でも、経産婦(けいさんぷ)でなくても、
乳を飲ませる感覚は分かり合えると思います。
「でもさ、ほんとにおっぱいを吸うだけで、
楓子さんはいきそうになったの」と
彼がまじめな顔で聞いてきました。
しつこいんだから。
素面ですよ。
裸ではないんですよ。
ベッドの上ではないし、周囲には他人もいるし、
そんなこと、
わたし、答えられません。