彼が絵を描き始めた…

楓子さん、お久しぶり。

お変わりないですか。

あなたも、恋人も。

 

 

というなんだかお手紙風なメールが師匠から届きました。

こうなると気になるから電話しちゃいます。

なにしろ師匠は長いラインでのやり取りがあまりお好きでないみたい。

というか、自信がないんでしょうね。

なにか話したいことがあるんだ、きっと。

 

電話したら突然こんなことを言うんです。

 

「ねえねえ。あなたの彼、最近、絵とかスケッチ書き始めてない?」

 

…いやあ、少し前までは裸の写真撮らせろだとか、

縛った写真を記念に残そうよ、とか言ってましたけど、

最近はもっぱら実行というか「やる方」に専念して、

写真など気にしなくなりましたね。

だからわたしの裸を描くなんてことはないし…。

 

聞き返すと師匠のお相手が絵を描き始めたらしいのです。

それも師匠の裸とかではなく、

「当たり前でしょ。いまさらわたしのヌード描いて何が面白いの!」

 

師匠の彼が書き始めたのは、

ヤマメだとか鮎だとか、あれっ、岩魚だったかな、

まいいいか。とにかく魚の絵だというんです。

 

上から見た図。

横から見た図。

それぞれ魚には特有の模様がある。

それを丹念に描いているんだけど、

なんだか、模様は丹念でも、

外郭というか輪郭は「ドへた」でよくわからない。

 

「それがね、その絵をわたしに見せなくて隠しているみたいなの。

どう思う。それとなくあなたの恋人に聞いてくれないかな。

こういうときの男の心理みたいなものをさ」

 

ということで、彼に聞いたのです。

思い出したのが、彼のおちんちんをお口に入れた後だったので、

わたしのおまたに顔をうずめた彼も、なんだかもぐもぐしてました。

「そんなのわかるわけないでしょ」と彼は気持ち良さに耐えながら、

それでも質問には答えてくれました。

 

男にだってわからないんですよね。