わたしの中の彼が…。

「あなた、すごいことよ。それって楓子さん」

 

師匠が大きな声を出しました。

わたしと彼はホテルのお風呂場であることをしました。

その報告を聞いた師匠の反応はわたしの想像を超えておりました。

 

「それってね、阿部定と吉さんを越えたのよ」

 

凄いことのように聞こえますよね。

でもね、たかだか彼がわたしの中にはいったままで

オシッコをした。

ただそれだけのこと…。

 

「吉さんがオシッコしたい、と云ったときにね、

定さんは『わざわざ厠に行かないでわたしの中に、おしっ』、

そう啖呵をきったの」

 

えっ。それでどうなったのですか。

「吉さんはね『バカ云ってんじゃねえや』と云って厠に

一走りよ」

 

なんだ。吉さんも案外ですね。

 

「それで、あなたたちはちゃんとオシッコ出たの?」

師匠はこの話に食いついてきます。

 

はい。ちゃんと、しました。

でも、わたしも彼のおちんちんをおまんこにいれたまま、

オシッコをしたのです。

 

「そうしたら…、ねえねえ楓子さん、どうなったの?」

 

彼の熱い液体がわたしの中に入ったのは何とかわかりますが、

中から下へと零れ落ちて来て初めてそれの熱さがわかったんです。

膣はやっはり感覚が鈍感なんですね。

熱い彼のオシッコに刺激されて、つられてわたしも出した…

と思いましたが、それが彼のオシッコなのか

それともわたしのオシッコなのか、判断できなかったんです。

「で、彼はどう言ってたの?」

 

「お前が締め付けるからオシッコが途中で何度も止まった」

と云いました。

 

さすがの師匠もこの落ちにはピンときたようで、

「はいはい。ごちそうさまでした」

そうして寂しげに云うんです。

 

「楓子さん、そういうことって若いうちにしておくものよ。

わたしたちではもう、そんな楽しいことはできないの」

 

50代の師匠と、60代の彼氏さん。

なるほど、楽しみも消費期限があるんだなあ。