ヒゲって、どうなの。

気候が緩んできて、

久しぶりに師匠から連絡があった。

「ごめんね。春一番みたいで…」

と、いつもと変わらぬ元気な声で安心した。

 

1か月ぶりくらいかな。

突然「わたしの彼の顔、覚えてる?」

と突然云う。

師匠の彼って、師匠と食事したときなんどか同席されたこともありますが…。

 

ヒゲをはやしたのよ、と嬉しそう。

「楓子ちゃんの恋人は、おヒゲあるの?」

 

どうやら彼のおヒゲ自慢なよう。

 

「いいのよ男の人のヒゲって」

ここからはもうグダグダだった。

師匠が彼の顔の上にまたがって押し付けていたら、

チクッて痛みが走った。

「いゃだ、なあに」と声を出すと

「ごめんごめん。ヒゲがあたったのかな」とお股の下で彼がもぞもぞ

答えたんだそう。

 

「痛かったんですか? おヒゲが師匠の大事なところに刺さって」

わたしが心配げに聞くと

「反対よ。その刺激がたまらんの。」

 

はあっ。

てことは自慢なのかな。

 

「楓子さんも彼にヒゲはやさせなさい。ほんと、気持ちいいんだから」

 

気持ちいいって云ったって、

無精ひげで頬ずりされても痛いのに、

敏感な場所をチクチクはなあ…。