「お父さん、今度このホテルに泊まりたいね」
先日、彼が話してくれたホテルに行ったの。
「とても汚くて、嫌になったらすぐに出よう」と云ってたけど、
入ってみたら、それほど汚くないし、
不潔感も感じなかった。
だってそうよね。
何年かたったから室内とか改装するしね。
あまり不潔では女性が拒否するでしょ。
彼がずいぶん昔住んでいたマンションのちかくにあるの、
そのホテルは。
近くに小学校があり、公園もあってね、
子供たちは小学校に通い、公園で遊ぶんだけど、
公園のすぐ近くにあるから、
「ホテル××」と書いてあれば、
子供にだってホテルってわかるはずよね。
ちょうど家族旅行に何度も出かけた時期だったらしいから、
子供ながらに泊まったホテルには点数つけたり、
期待したりとかしたんでしょうね。
あるとき、子供がこのホテルを指さして
「お父さん、こんなところにホテルがある。
よし、こんどここに泊まろうね」
と大きな声で云ったらしいの。
「そうだね。こんどね」と答えたらしいけど、
笑っちゃうでしょ。
その話を聞いたから、わたしもぜひ一度行きたいと思ったのよ。
「お父さん、今泊まろうね」
と云ってから、一か月後くらいかしらね。
思いついて出かけたの。
お風呂は心持ち狭いけど、それほど嫌な間取りではなかったわ。
電マはないし、化粧品もあまり揃っていないけど、
シンプルという点では、合格ね。
平日の午後だったのに、
駐車場にはずいぶんと車が停まってて、
わたしたちがお部屋を選んでいる後ろに若いカップルが
待っていたの。
帰るとき、彼たちのクルマはなくなっていたから、
「きっと会社の同僚で、就業時間内に帰社したに違いない」
と彼は想像するけれど、どうなのかしら。
率直な感想を云わせてもらうなら、
大通りから入っているし、
入口前には大きな木が何本もたっている大きな公園があるから、
なんだか入りやすい感じのホテルだったわ。
割引券もらったし、
近いうちにもう一度行ってみるわ。
そうそう。
あなたたちも一度いきなさいよ。おすすめするわ。