女医さんの話

師匠から聞いた話です。

 

以前、師匠が女医さんだということは云いましたね。

師匠の親友の女医さんのお話です。

 

女医さんは母親も医者で、

二代に亘って街の医院の院長先生をしています。

診療科目の皮膚科泌尿器科も母親の代からの引継ぎです。

 

先日、性病かもしれないと思い込んだ男性がやってきたそうです。

すぐさま診察したのですが、男性の亀頭の部分に赤い点がある程度。

どう見ても、本人の思い過ごし。

それで先生は云いました。

「おちんちんの先端の赤いぶつぶつは、病気の症状ではありません」

そういっても患者は聞きません。

 

看護婦の文子さんが横に来ておりました。

あおむけになって下半身むき出しにしている患者さんの

ぐたっとした性器をさっと握りしめ、

「ほんとだ。先端にしかない。湿疹は竿にでるものなのだって、

先生がおっしゃってますでしょ。だから、これは病気ではありません」

といとおし気に患者のおちんちんを握るのです。

 

いけない。

これは医療従事者としてやってはいけないセクハラです。

そう判断した先生は看護師さんをさとしました。

 

「文子さん、あなた、少しあっちに行っていて下さらない」

文子さんは先生の母親の代からの看護婦さんなので、

さすがの院長先生も敬語です。

 

でも文子さんがおちんちんを握ったおかげで、

患者さんも渋々ながら帰りました。

 

先生は師匠に向かってため息まじりに

こう話されたそうです。

 

「患者さんのあれは、それはそれは立派な逸物でしたから

 私としてはもう眺めていたかったのですが、残念です」