彼、ラブホで倒れる!

師匠と師匠の彼との話です。

ラブホで事の最中に、彼が倒れました。

 

腹上死!!

 

と誰しも考えますが、

どうやら違っていたようです。

救急車でラブホから病院へ搬送され、

そうして救急病棟へ…。

 

 

病院の担架に移って、

彼が入ったのは「脳神経科

 

看護師が彼の腕をまくり、左腕に点滴を打ちます。

反対側の看護師は右腕でセーターの上から血圧を測り、

指先で酸素量の検査です。

そのまま、タートルネックの首から左腕の脇に

体温計を入れました。

「××さん、腕閉じてくださいね。体温量りますからね」

彼は、ぐっと左腕を胴体に寄せます。

 

数字を読み上げます。

聞いている限り、問題ないようです。

 

点滴をつけたまま、まずCTです。

「××さん、ズボン脱がせますね」

 

このあたりは後から彼から聞きました。

ズボンを下げるときに

「腰、あげれそうですか」と質問されたようです。

そうして、ジーンズを脱がされ、パジャマのような長い下着を

履かされました。

そのまま、移動。

CTです。5分くらい。

「動かないでください」。

シートベルトでベッドくくりつけられて、

その間彼は目を閉じていたそうです。

 

これは楽に終わりました。

「次はМRに行きます。少し移動しますからね」

ガタンゴトンとベッドは移動して、

МRです。

 

耳栓を入れて、ヘッドホンで音を遮断します。

「少しうるさいので、耳栓しますね」

という検査技師の言葉が明瞭に聞こえました。

 

(こんなんで音を遮断できるのだろうか)と

彼は不審に思ったそうです。

案の定、МRの音は激しくて、

工事現場か板金工場の騒々しい音の中での

まるで拷問だったと彼は後から話してくれました。

 

「5分間、辛抱してくださいね」と云われたけれど、

とても5分では終わらなかった。うるさくて、頭が割れそうだったとも

云いました。

 

検査は終わりです。

そうして救急治療室の壁際のすべーにベッドを運び、

カーテンで囲います。

 

わたしが、彼と再会したのは、このスペースです。

クルマをホテルまで取りに戻って、

病院に戻ったときには、

彼は検査を終えて、ベッドでした。

わたしが横に座り、手を握ると強く握り返してくれました。

 

「あ、大丈夫だ」とわたし、とてもうれしくなり、

でも涙は見せませんでした。

彼も同じようですが、気持ち悪さも少しは快方に向かっているようです。

真っ青な顔が少し血の気が戻っております。

「おしっこ、したい」と彼が云います。

わたしがいない時に1度、尿瓶でした、といいます。

看護師さんに云うと、持ってきてくれました。

彼の顔を覗いて「随分と顔色も良くなりましたね」

 

看護師さんがカーテンを閉じて云ったので、

「わたしの出番」といそいそと、ベッドから起き上った彼のおちんちんを

引っ張り出して尿瓶に入れました。

そして、放尿…。

ちょろちょろと出て、終わり。

 

尿瓶の処理にトイレに行くと、

その間に看護師さんが彼に云ったようです。

「よくやりますね、あのひと」とほめていたそうです。

 

しばらく休んだ後、彼が随分と回復したので

わたしが送って帰りました。