わたしの中の彼へ 第五話 「別の日のバスタブ」

 
 
★彼が続けて小説を送ってきました。
五回目は「別の日のバスタブ」です。
 
 
第五話
 
別の日のバスタブ
 
「なあ楓子。この間さ、ビルの屋上で話しているときに、
知り合いから声をかけられたことがあったよな」とわたしは呟いた。
バスタブの中だ。
 
わたしは頭を楓子の股から出して、楓子のまたぐらに吸い付いている。
そんな状態で口を開いたのだから、当然だが湯が口に入ってきた。
だが、気にしてはいられない。
気分が高揚しているからだ。
 
わたしが彼女のクリトリスを舐めていると、自分も気持ちがよくなるということに、
最近気が付いた。
 
「だってわたしとソータは一心同体だもの。当たり前でしょ」と楓子は平然と言うが、
わたしにとってこの発見は、コペルニクス的転回である。コペ転だ。
女性器が「オペコ」だったら、コペ転は十分シャレになるのだが…。
 
さてお風呂だ。
今日は少しばかり、長湯したせいかボウッとしてきた。
それにこれは、つまり楓子のクリをなめるというのはオナニーみたいなもので、楓子のおまんこを舐めたり、クリトリスに吸い付いたりすると、そのうちに自分も気持ちよくなってくる。
固くなったペニスを握りしめて優しくしごく行為と同じだ。
というか、それ以上だ。
「女性はこんなにも素晴らしい快感を得ているのか、知らなかった」
 
楓子はわたしの質問に答えてくれた。
「あ、あのひとね。知り合いのお医者さん。近くのかかりつけの女医さん。久しぶり会ったのよ、突然に」
と楓子が遠くから話しかけてくる。
「どうしたの。気になったの…」
楓子の顔がわたしの顔の前に来て、広がった。
どんどんと楓子の顔が大きくなって、
画像がぼやけだしたら、煙のように消えてしまった。
 
というところでわたしの記憶は飛んだ。
 
気が付いたら、わたしと楓子は一緒に風呂に入っていた。
楓子が「ねえ、潜水艦ごっこしよ」と云う。
わたしは腰を浮かす。
「浮上! 潜望鏡を出せ!」
 
水面に出たわたしのおちんちんを楓子がくわえる。
「へへっ、やったね」。楓子の笑顔がはじける。
 
パクリを口の中におちんちん全部が入る。
わっ。
 
というところで、眼が覚めた。
 
わたしは頭をパスタオルで包まれて、ベッドの上にいた。
「大丈夫、ソータ?」
えっ、どうしたの。オレ、何かあったのだろうか。
 
「良かった。お風呂の中でわたしのを嘗めてて、のぼせたみたい。
きっとまだ入浴になれていないからよ。今度からちゃんと考えて入ろうね」
 
それにしても、あの夢、もう少し見ていたかった…。