こうして「スカトロジー」の世界に引き込まれていくのかしら…。

いつものように、バックから突かれて、

ベッドの上で正上位になり、

そうしてお尻です。

 

ああん。

気持ちいい。

死にそうなくらい、気持ちいい。

 

…。

…それが、長い。

突いて、抜いて、突く。

なんど繰り返すことでしょう。

彼の固いこん棒で、わたしの肛門が大きく広げられて、

また少し閉じて…。

 

勃起した彼のベニスがお尻を出たり入ったりするたびに

わたしの口からは悲鳴のようなため息がもれます。

きっと部屋の外を行き来するひとびとの耳に入ることでしょう。

 

でも、それが、どうしたと云うのです。

 

わたしは、ときおり叫びます。

叫ばずにはおられません。

 

でも、長い…。

彼は、まだ続けます。

「どうして…」

彼は動きを止めません。

「お前の誕生日だもの」

 

「あ、そうか…」

誕生祝がアヌスへの激しいピストンだとしたら、

うれしいのだか、苦しいのだか。

気持ちはいいし、なんども

「行きそう」と叫んだし。

 

でも、やっと彼が離れてくれた時、

ブーンと鼻を衝く匂い。

わたしのお尻を濡れティッシュで拭ってくれた彼が

「あっ」と声を上げました。

ずいぶんと濃い色の茶色の染みか広がっておりました。

 

「あらっ」と上体を起こしたわたしの眼には、

彼の両腿の内側についた茶色い染みが、

見境もなく入ってきました。

 

「あらっ」なんて悠長なことは云ってられません。

「ヤダ!」です。

 

凄いことになっておりました。

「凄い」ではありません。

「大変なこと」になっておりました。

 

初めての体験です。

ウンチまみれのセックスです。

浣腸プレイではありません。

 

わたしが救われた気持ちになったのは、

彼が何も云わず、淡々と処理をしていたことです。

 

「人間はこうやって、少しずつスカトロジーと親しんでいくのね」

わたしの口からは、知らずこんな言葉がもれました。

 

何回目かの誕生日の「体験」の記録です。