「映画館でね、彼がね…」

 

師匠が、含み笑いをこらえながら云うんです。

どうも、映画館で上映中に、したらしい。

それって、いつのことですか?

この質問には答えが返ってきませんでした。

 

「一番後ろの席の真ん中あたりに座ってね」

と師匠が続けます。

 

「わたし、映画に感動して涙ぐんでいたら、あのひと、

突然わたしの脚を広げさせてね、足を前の背もたれに載せるんですよ」

 

え、ということは師匠、映画を観ながらМ字開脚。

「そうして、あそこを指先で撫でるんです。

これが気持ち良くて、映画のストーリーが入ってきません」

それはそうでしょう。

 

「口を開けて声を出さないように耐えてたら、今度はおもいきり

2本の指でつかんでひねるんです。もう痛いったらない。

それが暗闇の中で息をひそめてのことだから、痛くて気持ち良くて、

ほんと、声を出さないようにするのが大変でした」

 

わたし、師匠からこの話、前にも聞いたような気がしますが、

少し内容が違っているので、ははん、最近、また試みたな、と

読みました。

 

「でもね、わたしよりも彼の方が周りを気にしたみたいで…」

 

師匠の武勇伝を聞かされたら、負けてはおられません。

わたしも彼をそそのかして、映画館なんとかをやってみます!

 

「映画館のあと、ちゃんとベッドでするのって、最高よ」

 

はいはい師匠、よーくわかりました。

ご高説しかと承りました。

あら、やだ。壊しちゃった!

「大変。壊れちゃった」

 

どうしていいのかわからなかったので、

師匠に電話しました。

 

「ばかね。形あるものいつかは壊れるわ。

自然の摂理よ」

 

さすが師匠。云うことが深い。

生あるものが死ぬのは自然の摂理だと思っていたけど、

人工的なものだって、いつかは壊れて灰燼と化す。

ほんと、そうだわ。

 

「お友達のママさんがね、旦那が戻るまでが待ちきれなくて、

ひとりで電マでしていたら、壊れちゃったらしいの」

 

あらわたしとおんなじだ。

 

帰宅した旦那がね、こういったんだって。

「おまえな、やりすぎたよ」

 

でもすごい。

やりすぎでもなんでも、電マを壊すまで使い切るなんて、

電マにしても電マ冥利に尽きますね。

 

「だからさ、楓子ちゃんも、とうとう、そこまで到達したかって

ことよ。この次は2台目のクラッシュ、続いて3台目って

頑張らねば」

 

そうですね。

一台くらいで驚いていてはだめだ。

だって師匠は既に3台目にとりかかっていると云うんだから、

わたしも負けないように、精一杯使うことにしよ。

彼の顔にオシッコを!

こないだね、と師匠が云った。

 

「彼の顔をまたいで、あそこを彼の鼻と口に押し付けたの」

 

あら、やらしい。

シックスナインの変形でもないし、

要するに彼にあそこを嘗めさせて、

しかも自分が場所や圧や速度をコントロールしたんですね。

師匠、やりますわ。

 

「そしたらね、わたし、できなくて…」

 

師匠、本当は、彼の顔に潮吹きするつもりだったんですって。

「彼の顔よ。わたしにはかけられません」と師匠はおっしゃるけれど、

浴室ではよくお二人でおしっこを顔にかけあっていたはずなのに。

なにをいまさら、ね。

 

「それとこれとは違うのよ」と師匠が抗弁されるので、

と云うことで、わたしたちがやってみることにしました。

 

気にしたのは、体重を彼の顔にかけないこと。

だって彼、窒息したらたいへんですもの。

 

…そうなんですね。

師匠の云う通り、「彼の顔にオシッコ」は、

やってみて難しいことがわかりました。

 

でもそこで諦めるわたしたちではありません。

 

またいだ格好で電マです。

わたしのあそこに押し当てたらば、

そうしたら、あっという間に潮吹きでした。

 

わっと驚いて叫んだら、

お股の下で彼もまた、わって叫びました。

 

「鼻に!、耳に…!」

なんだか叫んでいます。

腰を浮かすと、あら大変、

彼の頭が水浸し。

 

 

後から彼に聞きました。

勢いよく鼻に直撃して、

うわって叫んで顔を左右に振ったら、両方の耳にも、

交互にどおーって飛び込んで、もう大変だったみたい。

 

「口に入ったのは、少なかったけど、苦みはない」と

彼はシャワーで頭を洗いながら、云いました。

 

仕方ありません。

彼のベニスをくわえて、彼のおしっこを飲めるだけ飲む。

これであいこにしました。

このホクロ、なんだかやらしいです。

気になっておりました。

わたしのあそこにホクロがあるんです。

 

彼がとうとう気づきました。

当たり前です。

あれだけふたりで、嘗めあっていたら、

わからないのが不思議です。

 

「おやおや。こんなところにホクロがあるぞ」

彼って冗談のように云うんです。

それって、嫌味なのかしら。

「いやん。恥ずかしいわ」とわたしは一応、ぶりっこです。

 

師匠から、電話がありました。

「ほら、あなたがこないだ、心配していたことよ」

わたし、すぐに気がつかなくて「なんでしたか」

 

「ほ、く、ろ…」

 

あ、あのことだ。

わたし、師匠に相談したんだっけ。

 

「わたしの彼って、大学で教えているって、

知ってるよね」と師匠。

はい。聞いております。

「彼に聞いたら、それは素敵なラッキーアイテムなんだってさ」

 

えっ、どういうことですか。

 

「大陰唇のホクロはね、男を喜ばせる道具の持ち主だという証拠よ」

 

わ、うれしい。

師匠、ありがとう。

でも、彼にいうのはやめておきます。

秘密は多いほど甘さが増すんだもの。

 

乳牛(ちちうし)って、素敵!

後ろからしていて、

あんまり気持ちがいいのでそのままベッドから降りて、

ふと見ると、鏡がありました。

 

わあっ、いやらしい。

わたしの背後に彼がいて、わたしは気持ちよさそうな表情で…。

これって、恍惚というんでしょうね。

 

この日は服を脱がないままにしておりました。

お互い下半身は素っ裸ですが、上半身は服を着用。

彼はカッターシャツにネクタイを締めたまま。

わたしはブラウスの胸をはだけて、ブラから胸が半分飛び出しておりました。

その白い乳房を彼が後ろから腕を回して、ぐっとつかんでる…。

 

あらっ。

わたしの恰好といったら、ほらほら、牧場の牛。

たわわに実った乳房を垂らし、あとは乳を搾ってもらうだけ。

その乳牛(ちちうし)が鏡の中におりました。

 

やだっ。

わたしっ!

 

ほんと、ちちうしだわ。

そう云うと、彼もまじまじと鏡をみて、

「ほんとだ。お前の乳は牛さんの乳」

 

普段の普通の行為ですが、

日々新しい発見があって、いつも楽しいんです。

えっ、そろそろ上級に…?

ロシアとウクライナが戦争始めました。

海の向こうで戦争が始まる…と云う小説がありましたね。

遠い世界の話、みたいに思えます。

 

でも、

師匠からお墨付きをいただいたんですよ。

「そろそろわたしたちに追いついてきたんじゃないのかな」

 

えっ。

畏れ多くも師匠に追いつくなんて、そんな無鉄砲なことは

口が裂けても痙攣しても云えません。

 

彼がいったあと、そのままの態勢でわたしが腰を動かすという、

あの「山村方式」を、先日やっとマスター出来ました。

マスターできたというのは云い過ぎですね。

出来たんです。

彼が上になったまま、射精後のフニャチンをわたしの中に置いたままの状態で、

わたしが下から彼の恥骨にクリトリスを押し付ける。

口で言うのはたやすいのですが、角度の問題とか、

これまでなかなか「あれっ」「なんにも感じない」と

掠りもしなかったのに、先日はできてしまったのです。

突然でしたね。

その報告をした時に師匠から帰ってきたのがさっきの言葉。

 

もうひとつは、バスルームでシャワーの圧を強くしてお股に

当てる。

「これだけで、潮吹き出来るのよ」と師匠に云われていましたが、

これも何回くらいチャレンジしたことか…。

 

ところが、習うよりは慣れろとはよく言ったものですね。

この間彼が「やってみよう」と不意に当ててきたら、

ぎゃっ!

不意を食らって、あっという間に潮吹きです。

 

二つの難関クリアしたことで、

中級もそろそろ卒業かしらと云われたのでしょうねきっと。

 

わたしはまだまだビギナーで、とっても師匠たちの足元にも

及ばないわねと、彼と話していたんです。だからうれしいです。

 

わたしももうすぐ40の坂に差し掛かります。

彼も50です。

師匠はもうすぐ60になり、師匠の彼は70です。

師は常に先にあり。

 

お二人の背中を見つめながら、次の坂を上るだけです。

焦ることなく慌てることなく、できることをコツコツと。

 

なんちゃってね。

 

寅年です。今年もSМに邁進!

感染症は嫌ですね。

たとえ愛する相手であっても、

触れ合えないことがあるんです。

 

師匠とわたしでも、そうです。

わたしのテーマは「愛は触れ合い」で、

ちゃんと韻を踏んでいるのですが

触れ合いのない愛は愛ではない。

 

テレビコマーシャルではありませんが、

ア行から愛を取ったら「う、え、お」しか残りません。

上を向いて歩こう、なんですかね(笑)。

 

わたし、少しいら立っております。

師匠と会うことは、わたしが遠慮しています。

なんてったって、高齢者です。

感染症にかかったら重症化率が高いのです。

絶対にうつすわけにはいきませんから。

 

そのことを彼に話したら、

「オレたちも、見習おう」と委縮してしまって、

なかなか出てきません。

だから、今年になってまだ一度も彼とは触れ合いがありません。

触れ合いがないから、愛もないのです。

 

会えないからビデオ通話しました。

ビデオだから大胆になれる、と思ったのは大間違いで、

「ねえ、あなたのペニス見せて」と彼に云うと

「ネットは簡単に盗撮ができるんだから、あっという間に世界中に

オレのおちんちん画像が拡がったらどうする」というので

「いいじゃないの。私の彼のおおっきなペニスってと吹聴して自慢するから」

 

こんなん冗談に決まっているのに彼は本気にして怒っちゃってさ、

まるで子供。

師匠に電話したら

「しかたないでしょう、それは。

彼だって、あなたと会えないからいら立っているのよ」

と指摘されました。

「愛しあえばすぐに解消するから心配しないで大丈夫」と云われて

なんだか安心しました。

 

そうそう。わたし、今年最初に彼とあったら、

握りこぶしをあそこに入れるプレイをしようと計画しています。

彼は多分、怖気づきそうですが、許しません。

 

また、報告しますね。